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10年の北海道での山籠りを経て、中央線に舞い戻った男。鹿野おしりの街道爆裂サブカル日記。

気ぶりめし~豆腐カツのかつ丼~

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(大変よく発達した玉ねぎ)

 

こんにちは。私です。

今日は料理の話をしたいと思う。もうサブカルかどうかこれもうわかんねぇな。みなさんはこの弱い者たちが夕暮れさらに弱いものを叩く糞みたいなマッドシティで何を食べて生き抜いていますか?精力の付くもの、健康を意識した食事、家計を気にした食事、まぁそれぞれの事情でいろいろあると思います。私は失業してからパンばかり食べています。なかなかにお金がないことは辛いです。そんな地獄車の家計でも少しくらいの潤いが欲しいと思い、豆腐を使った料理に最近は凝っています。

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最近作った田楽。田楽はいい。一丁50円の豆腐から10枚くらいとれるし、日本酒にも合う。落語のん廻し(田楽食い)のように江戸時代から愛されてきた料理なだけあってなんか文化的な感じがあるのもいい。うぉん!今日の俺は江戸時代の浪人だ!という気分で酒を飲めるので失業したら田楽を食べるのがおすすめ。

田楽を食べていて気付いたことがある。水を抜いた豆腐に熱を加えるとなんだかいい感じの食感になるなぁ、と。そこでインターネット大先生に「豆腐料理 -クックパッド」で検索していたら精進料理家のページを見つけた。有名な話ではあるが禅宗のお坊さんは生物料理は食べられないので、その代わりとしてタンパク質豊富な豆腐料理が盛んに食べるのだとか。豆腐ステーキのおいしそうな写真があった。ここで私は一つの妙案が浮かんだ。「ステーキがあるなら豆腐を使ったかつ丼も作れるのでは?」真相を確かめるために我々はNASAには飛ばなかったが、行きつけのドラッグストアで豆腐とパン粉を買ってきた。

これは壮大な実験だ。狂気のMAD料理人である俺が豆腐でカツを騙り、世界を騙し、神をも欺く料理にしてやる。豆腐に衣をつけて油で揚げて煮るのである。正気の沙汰ではない。なぜなら食材はしょせん豆腐なのである。豆腐ごときにそこまでの手間をかけてやる意味はどこにある。だからこそこの記事のタイトルは「気ぶりめし」なのである。正気にては大道ならず。それでは行ってみよう。

1.水抜き

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パックに入った豆腐は水気を大量に含んでいるので水抜きが必要だ。キッチンペーパーで切った豆腐を挟み込み、上から少し重しをしてやって、冷蔵庫に1時間ほど置いておく。これをしないと焼いたり揚げたりする工程がうまくいかないのでちゃんとやろう。

水が抜かれた豆腐が写真。豆腐独特の表面のボソボソかんが出てきている。このくらいになっていれば良い。

2.衣をつけて揚げる

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水が抜けたら、まずは豆腐に塩コショウを振りかけて馴染ませます。このあたりから自己暗示を始めておこう。

——これはトンカツだ、これはトンカツだ、これはトンカツだ。俺はこれからこのロース肉を油で揚げてカツを作るんだ。これはきっと正しいことなのだ。この聖戦を勝利するためには俺という人間の犠牲が必要なのだ。みんなも喜ぶ。俺も喜ぶ。これは犬死じゃない意味のある死なのだ。この機械でもって異教徒の豚共を皆殺しにしてやるんだ。俺は正気だ。俺は正気だ。俺は死んでヴァルハラに行って戦士と迎え入れられるんだ。俺は正気だ。俺は正気だ。俺は、俺は——

という具合で戦意が高まってきたら小麦粉と卵とパン粉を用意します。トンカツを作るんですからあたり前ですね。今日は10枚のお肉を上げるので卵は2個くらい使います。おっとその前に油も熱しておきましょう。衣をつけたらドブンだぜ。小麦粉、卵、パン粉の順に肉に付けていき油の中にそっと入れましょう。

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のったらくったらやってたら焦げてしまいました。しかしこのくらいの焦げならアクセントになって逆に大勝利です。その手で栄光を掴みましょう。きっと大司教様もお許しになることでしょう。

3.煮る

カツはこれでもうできたので、今度はかつ丼の準備をしましょう。まずは良く発達した定型発達の玉ねぎを準備してください。発達障害に陥った玉ねぎを使ってはいけません。未発達の玉ねぎを体に取り込むと毒素を発生させるため、ジハードの戦士は口にしてはいけない決まりになっています。これは協会が定めたルールです。店で未発達の玉ねぎを買ってきてよく発達させてから使いましょう。

鍋を熱して刻んだ玉ねぎを放り込み炒めて、熱が加わったらだしと醤油を鍋に入れて煮立たせます。砂糖も入れると良いですが入れ過ぎには注意しましょう。いい感じに煮立ったら今度はカツを入れて煮込みましょう。まぁボロが出るといけないので、あまり煮過ぎずかといって味が十分に染み渡る程度に煮ましょう。そしたら今度は卵をかき混ぜて鍋にぶち込みましょう。

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キッチン回りが汚いことにはあまり触れないでおきましょう。差別的な表現が出てきてしまうとネットリテラシー的にアレですし、ヘイトクライムにはあまり関わらないようにしましょう。異教徒は這いつくばって土でも舐めていればいいのよ。

蓋をして卵が固まる程度まで煮たら完成です。

4.実食

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これが完成図です。おいしそうなカツ丼が出来ました。ちなみになぜ最近かつ丼が食べたくなったかについてですが、ネットで「ドン勝!ドン勝!」という言葉を見かけたからです。安直ですね。

早速実食と参りましょう。まずは玉ねぎと卵!フワフワしていてとてもおいしいです。味もよくしみています。次にカツ!柔らかな食感がとてもおいしい!衣によく味が沁みています!塩っ気もあってごはんが進みます!やはり私は間違っていなかった!私の理論は完璧だった。司教様。これでやっと恩を返せます!苦節30年長い道のりであったが、こうして見ると何もかもが愛おしい!主よありがとう!これで私は悔いなく逝けます!ありがとう!ありがとう!さらばっ!・・・

 

 

 

 

 

 

 

‥‥ここでメフィストフェレスが私に問いかけます。

「人間としてもっとも愚かなのは自分を偽ることだ。

 自分の欲望に正直な人間の魂ほど、極上の味だと俺達は知っている。

 自分を偽った人間の魂など下の下。下手物だよぉ‥‥。

 俺と取引するにあたって、確認したいことがある。

 あんたは自分を偽るような人間じゃァないよなァ?」

 

 

 

 

 

 

 

悪魔に諭される形で、私は自分を偽っていたこと思い出しました。

そうだ、そうだった。私は神を欺く研究に入れ込んで、正気を失っていた。これは本物ではない偽物だ。あぁ、嘘の告白をしてみんなを偽ったことをどうか許してほしい。どうか、どうか・・・。と贖罪を求めても誰も俺を許してはくれない。研究に使ったあいつも、俺を止めてくれた彼女もみんな死んでしまった・・・。俺には何が残っただろうか、この正気だとは思えない研究のせいで全てを、本当に全てを失ってしまった。私のもとには歪にゆがんだ醜い豆の塊しか残ってはいない・・・。だが本当に俺は間違っていたのか、この研究によって地上からすべての苦しみを消せるはずだったのだ。おかしいのは私の頭か、それとも社会なのか。

私の研究はここまでだ。この文章を最後に私は消える。なのでこの手記を読んだ人は、勝手なお願いだが、どうか研究を引き継いではくれないだろうか?私は失敗してしまった。しかし理論は究極だ。どうか頼みます。あなたの手でこの研究を完遂させて、地上にいる苦しんでいる人たちを救ってあげてください。それだけが。それこそが私の願いです。

 

では、さらば