ヨッパライ映画評~スターシップトゥルーパーズ~
よぅ!来たな!こっちはもう始めてるぞ!
まぁまぁよく来た。まずは一杯。良い飲みっぷりだなぁ。よっ!男前!おでんもあるぞ。がんも食え、がんも。
今日お前を読んだのは他でもない。今日俺が見た映画の話をしたかったからなんだ。何?串が食べたいだぁ?えーい良い良い。頼めたのめ。
そんで映画の話なんだ。で、今日俺が午後のロードショーで見たのが、この「スターシップトゥルーパーズ」だ。このDVDは・・・エロDVDじゃねぇよ。まったく、お前はスケベだなぁ。なんだ親父似か?これは、お前に貸すためにそこのTSUTAYAで買ってきたんだ。もってけもってけ。
この映画はすげぇぞ。ハリウッドが作ったバカ映画。つまりB級映画なんだけど、金をかけて最高の監督が意欲的に取り組んだ映画なんだ。
スジはこうだ!この映画は虫と人類が己の生存をかけて戦う未来の話なんだ。その未来で軍隊に入隊する若者を増やすために作られた映画、つまりプロパガンタ映画ってやつだな!そういう体で話が進んでいく。お前も学校で交通安全のビデオ見たりするだろ?そういうのと同じで、ダメな俳優が出ていたり、棒読みだったりするちょっと下手糞な感じで話は進んでいくんだ。若い主人公が学校を出て、軍隊に入隊して、初めての任務にいって、同僚が死んで・・・とかまぁ、そんな風に進んでいくんだ。で、敵のボスを倒してっていう風に話は終わるんだ。
なんだ?不満か?それのどこがおもしろいんだ、だって?まぁ色々と小ネタが入ってて笑えるんだが、俺も酒飲みながら見てたからあんまり詳しくは覚えてないんだが、俺が一番気に入ったし、爆笑したのはボスを倒した後だ。
敵のボスっていうのが巨大なナマコみたいなやつなんだ。そいつを研究のために施設に持ち帰って、色々実験してるシーンが入るんだが・・・。
まぁいってしまえば、そのナマコみたいなやつの口が・・・まぁ、そのなんだ。完全にオマンコなんだな。見てる途中は「あれ?オマンコかな?いやまさかな。ハリウッドだし」って思ってたんだが、ナマコの口に鉄の棒をぶっさして虫が「ピギィ!」って叫ぶんだが、そこに「CENSORED」っていう修正が入るんだよ。
なんだよ、やっぱりオマンコじゃねぇかよ。このシーンが一番、この映画見ててよかったと思ったシーンだよ、俺は。だってオマンコだぜ?なかなか見られるもんじゃねぇぞ。
まぁ、この映画を見ることでおじさんがお前に何を伝えたいかというとだなぁ。ふざける時には本気でやれ。ってことだ。あと、オマンコに鉄棒ぶち込むのはやめとけ。そういうこった。
じゃぁ個々の会計払っとくから、もう出ていいぞ。今日はありがとな。
スターシップトゥルーパーズ(1997)
監督:ポール・バーホーベン
脚本:エド・ニューマイヤー
原作:ロバート・A・ハイライン「宇宙の戦士」
映画にオマージュを捧げたちょっと大人でサブでカルなアニメ~あるいはなぜ私は映画そのものでなく、パロディとして取り入れられた映画を愛するようになったか~
ヒャッハァァァァァァッァァ!!!サブカルバカだぜぇぇぇぇ!。
もう漫画の話するのは飽きたから、今日はアニメと映画の話に切り替えていくぜぇぇぇぇっぇぇぇぇ!!別に今しゃべってるのはハリウッドザコシショウの物まねってわけじゃねぇんだぜぇぇぇぇぇッぇぇぇぇぇ!
今日は天気もいいので、映画オマージュしてるアニメについて話したいと思う。アニメ業界では一時期多かったけれど、最近は減ってきている傾向にある表現方法だ。僕はこれが好きでね。昔ちょっと映画をみまっくってた時期があるもので、有名どころの映画パロディならわかるので、これがなかなか楽しいんだ。ほらほら、映画ってサブカルの王様という風格があるし、こういう形でアニメの話をするのも悪くないよね。ではちゃっちゃと初めて行こう。
1.バッカーノ
バッカーノである。ライトノベル原作で、錯綜する幾人の物語を紡いだ群像劇的なアニメだ。セリフや展開がとてもしゃれた感じでかっこいいアニメだ。放送当時の知名度があまり高くなく、現在でもそんなに言及が多いアニメじゃないので、通ぶりたいときにいうと効果的である。なんてサブカル的な卑しい感じで言うけど、もともとの作品の面白さがしっかりしてるので、とても良いアニメだ。
ではバッカーノのどこが映画的なのかと言えば、それはOPだ。
まずはこれをご覧いただこう。
つづいてこちらをご覧いただこう。
Opening "Snatch" of Guy Ritchie
おかわり頂けただろうか?この二つ、多数登場する登場人物の魅力を描き、物の受け渡しで映像をつないでいく技術、これはパクリというか確信犯的なパロディだろう。作者の成田良悟先生も映画好きなことで知られており、作者発案だったのかもしれないけど、そんなこたぁおらぁ知らね!効果的にオマージュが成功した稀有なアニメOPとなっている。いいよね、バッカーノ。
2.スペースダンディ
わーい!みんな大好き!スペース☆ダンディの登場だよ。このアニメは映画オマージュの話抜きにしても語りたい私のマイベストアニメなんだ!宇宙!バカ・ボンクラ・ポンコツ!織りなす一話完結アニメ!すぐ人類滅亡オチを使う!エモダンディ!乳!尻!ふともも!ちょっと泣ける話もあるじゃんよ!という大人のためのファンタジーといった感じの作品。暇な人は見てみてください。
そんなスペースダンディにも映画オマージュを捧げてる話がある。それがこちら。
『スペース☆ダンディ』第4話「死んでも死にきれない時もあるじゃんよ」予告/Space Dandy #4 trailer
ゾンビの話なのである。主人公がゾンビ化するアニメってなかなかない。しかも、ゾンビとしてよりよい生活を求めていく向上心の高い(そうか?)話なんだ。ゾンビ先輩の話は為になるっす!大人な製作者が大人な視聴者のために本気で馬鹿やってる雰囲気の伝わってくるスペースダンディ。オスススススススススススSSS
3.Panty&Stocking with Garerbelt
ストパンならぬ、パンストの登場。2010年に放送されたGAINAXのアニメである。これもまたアニメーターや監督が自由闊達に好き放題やったアニメである。どギツイ下ネタや鼻くそやう○こが飛び交い、主人公の口からFUCKだのBITCHだのSEXだのが吐き捨てられる、スラム街の掃きだめのような雰囲気ではあるが、カートゥーン調のかわいらしいキャラクター達がやっているので、なんとなくお洒落な気がする。そんなアニメである。
基本的にサブタイトルは「チャック・トゥー・ザ・フューチャー」や「パルプアディクション」「ハナムプトラ」「トランスホーム」とあるように、映画のタイトルのパロディとなっている。また第10回は短編アニメで構成されていて、これが映画的手法を用いたものや、映画のオマージュを用いたものになっており、なかなか見ごたえがある30分である。まぁ業界用語では尺あまりともいえる。
アニメーター達の乱痴気パーティーのような作品、お勧めです。
4.戦国コレクション
そして戦国コレクションの登場である。戦国コレクションは2012年のアニメ、もう5年も前である・・・、ソーシャルゲームの同名作品のキャラクターたちを使ったアニメ化ではあるのだが、どこをどう間違ったのか、全編を通して映画愛と映画へのオマージュが捧げられたアニメーションになっている。
織田信長が演じるローマの休日、平賀源内が演じるバック・トゥ・ザ・ヒューチャー、卜伝演じるボーリングフォーコロンバイン。なんともトリッキーな取り合わせだが、これがアニメになると良く馴染む。原作視聴者はいろんなシーンでニヤリとさせられる。特に私が好きなのが、19話と20話の「Vengeful Fang-IS」「Vengeful Fang-OS」である。どちらも明智光秀の話である。ISでは犬神家の一族を下敷きに様々な探偵作品のオマージュが用いられて、コメディ調で制作されている。続く、OSではアマデウスを下敷きにして、織田家家臣でナンバー2として支えた明智光秀の苦悩が描かれる。特に白眉なのが、明智光秀がついに決心をし、織田信長を殺しに向かうシーンで、実際のモーツァルトの曲が使用されているのだ!何とも豪華!アマデウス好きとしてはたまらないシーンになっている。ちなみに自分が東京から地元に帰る最後の晩にみたのも戦国コレクションだっただけに、何とも思入れの深い作品である。
いかがだったでしょうか?映画オマージュが使われているアニメ特集でした。アニメを先に見るか、映画を先に見るか迷ってしまうかもしれませんが、一緒に借りてきて全部見たらいいんじゃねーの!?とおもいます。
また、何か思いついたら記事にしますので、その時はどうぞよろしく。
サブカル的傑作漫画30選 <下篇>
ランキングも大詰めとなっております。今日発表するのは10位から1位までです。サブカルを自認する者が、どの漫画を一位にするのか気になるところではないでしょうか?それでは紳士淑女の皆々様、奥の方からずいずずいと這入っていただき、拙ランキングをどうぞご照覧くださいませ。それでは始めます。
10位 原作・内田百けん 漫画・一条裕子/阿呆列車
まずは阿呆列車からだ「なんにも用事がないけれど、汽車に乗つて大阪へ行つて来ようと思ふ」という名文から始まる作家・内田百けんの列車旅を随想的に仕上げたこの作品。もともと、昭和の小説である内田百けんの「阿呆列車」シリーズを一言一句残さず漫画に入れたという一條裕子先生の労作だ。小説にはない部分として、その時代の風俗や車窓から眺める風景など印象的な絵が挟まれることが、今回10位を受賞した要因となりました。今は亡きIKKIコミックスの鉄道オタクシリーズとして刊行されました。あと僕が内田百けん好きなのでこの順位になっております。
9位 久米田康次/さよなら絶望先生
久米田康治はサブカルにちげぇねぇんだっっっっっ!!
ベテランギャグ漫画家をサブカル呼ばわりとは、今日から安心して眠れなくなりそうだが、久米田康治はサブカル!俺が決めた!さよなら絶望先生はサブカルに意欲的な作品だ!アニメを見たか!!??大槻ケンヂが主題歌を歌い!劇団犬カレーがアクセントをつける!ラジオでは神谷ピロシが奇声を上げて!新谷良子が悶える!このサブカル協奏曲的な展開に、連載中はとても楽しい時間を過ごさせてもらった!!
また原作もいい。毎号世界文学全集をパロディした前回までのあらすじが載り、巻末には作者の紙ブログが載っている!まさに作品としてのボーダーを乗り越えたサブカル的な作品ではないか!!そして内容はいつものパターンを踏襲しながら、衝撃的なラストに向けての伏線も張っている!!僕は絶望先生はある種サブカルメディア展開の集大成だったと思っておりますよ。
8位 ALAN MOORE・DAVE GIBBONS/WATCHMAN
「出た!WATCHMAN!サブカル男は大好きだけど、女が見ても全然面白くない映画NO.1・・・」
男はみんなWATCHMANが好きっ!さぁ君も声を出して!男はみんなロールシャッハが大好きっ!魔界の死者であるアラン・ムーアが描いたヒーロー達の物語が8位に登場だ!私は映画を見てから漫画を買ったタイプなのでラストのイカにはびっくりしたよ。
WATCHMANの何が男たちの心を惹きつけて止まないのかと言えば、やはりロールシャッハの生きざまであろう。絶対に妥協しない、絶対に悪を許さないというチビのブサイク、ロールシャッハのその妥協なき生き方と結末に憧れる男たちは多い。コメディアンの生きざまも社会人としては惹かれるものがある。あと「35分前に実行した」は悪役として、ヒーローを絶望をたたきつける最低のセリフだ。俺も死ぬまでに言ってみたい。
とにかくだ!何が言いたいかというとみんな!WATCHMAN読もうぜってこった!クキェェェェェェェェェェェェッ!!!
言及数、ヴィレッジヴァンガード発買数ともに高い作品。だって1999年で17刷だぜ?今いったいいくつだよ。言及されたことにおいては、帯に江口寿史から「それでも生きていく君たちに 20世紀最後の青春漫画だ」と、松本大洋から「ひょろひょろと力弱く 毒があって、格好良くて見事です」と文章を寄せている。あと、モテキ映画版冒頭の幸代の部屋の中に置いてある、という演出が見られました。だもんでサブカル漫画としての認知では高いのではないでしょうか?
これもまた白い表紙の短編集に当るわけですが、表題の「青い車」「オレンジ」「ツイステッド」「マイナス・ゼロ」「一人でお茶を」「銀のエンゼル」の6作が収められております。ヴィレッジヴァンガードに初めて来た人が手に取る確率の高い作品集ではないでしょうか、御多分に漏れず私も初めてヴィレヴァンに訪れて青い車とそっと好かれるを手に取りました。私が特に気に入っているのが、高校中退のフリーターの話である「オレンジ」と、広瀬正の「マイナスゼロ」の漫画化である同作がお気に入りです。オレンジからはかっこいい一人暮らしの理想としての姿をもらい。マイナスゼロを読んでは人生とは、人類とは何か・・・?という命題をもらった作品となります。めんどくさいねサブカルって。1996年に出た本ですが、内容が古くならず、今でも我が家にあるヤニで茶ばんだ(一人暮らしの間いつも持っていていたため汚れた)表紙をたまに手に取ります。オススススススススススススススススススsの1作。
6位 施川ユウキ/がんばれ 酢めし疑獄‼
ヒャッハハハッハハハハッハハハッハハハハアアアアアアァァァァァァァァァァァァァッァァァアッッッッッッッッ!!!!!!!施川ユウキだァァァァァァァァッァァァァァァ!!!!!ここに施川ユウキサブカル漫画家認定の石碑を建てよう!!!!1!ッ!1!!!ッ!1111!!!
施川ユウキはサブカルだ!サブカルが生んだ!サブカル漫画家だ!!!!
取り乱しました。6位は施川ユウキのデビュー作。がんばれ酢飯疑獄!!きっと作者本人ですら「サブカルのつもりで書いてねーよ」と言うでしょうから、私がなぜサブカル認定をしたのか申し上げましょう。
酢飯疑獄では、ハードボイルド小説や洋画、はたまた美術などからの引用とも取れるネタが随所に張り巡らされている。いわばサブカル的なパロディのびっくり箱という様子を醸し出している。そしてそのギャグ!反骨心に満ち満ちたシュールなギャグ!さらには突っ込みとしての猟奇的な暴力!ヒャッハー!さらには「決してこれ以上上達はしない!」という強い意志を感じるその画力!もう我慢できねぇえぇぇぇぇぇぇぇ!酢飯疑獄はサブカルが引き取って一級のサブカル漫画として育てるぜぇぇっぇぇぇぇぇぇ!
そんな東洋の作品に網羅的な知識を持つ施川先生が「バーナード嬢曰く」がヒットしたことは「あぁ~ホントによかったなぁ~」と僕は思うのでした。<完>
5位 原作・一色伸幸 漫画・山本直樹/僕らはみんな生きている
僕は山本直樹作品の中で一番面白いんじゃないかと思ってるのが、僕らはみんな生きているです。 話の筋は左遷で飛ばされた日本人サラリーマン達が、内戦が勃発したアジアの小国でひどい目に合うという話です。私が特に好きなのが、物語の終盤、ゲリラの幹部と取引をするために機械を作って持っていくあたりです。主人公の思いのたけをぶちまけるシーンが就職活動でヘロヘロになっていた僕を癒してくれるのでした。仕事に疲れたサラリーマンは、爽快感を得るために買ってみては?オヌヌヌヌヌヌヌヌメ!
4位 道満晴満/ヴォイニッチホテル
ふわぁぁぁぁぁああああぁぁぁぁっ!!!!いらっしゃいまssっせえええぇえぇぇぇぇ!!!よぅこそぉぉ!世界最大規模の道満晴満ファンサイトへぇぇぇぇぇ!!!!どうぞぉどうぞぉ!ゆっくりしていってねぇぇぇ↑↑↑↑↑いやぁ!まってたよぉぉぉぉ!やっとわかる人が来てくれたゆぉぉぉぉぉ!↑↑!!↑!うれしいなぁ!ねぇ?何読むぅぅぅ↓↓これヴォイニッチホテルっていうんだ!ホテルジズムが元になってて、それを三巻くらいにまとめたんだぁぁぁぁっっっ!!いろんな人物のいろんな話が錯綜する傑作なんだゆぉぉぇぇぇぇぇ・・・え、ぱらいぞ買いに来ただけで興味はないって?なんだよぅ!期待させんなょぅ!ぷぇっ!
思わずアルパカ・スリさんになってしまうくらい好きな作品。ロボット刑事を見かけた瞬間、心が中学生に戻って「ひゃぅ!」って変な声が俺の喉から漏れた。道満晴満はニッケルオデオンがお洒落な感じだからフランスとかに売り込めば、すごい利益を生むんじゃないかと思ってる。考え過ぎかな?
古谷実のギャグの全盛期の作品。私が言うギャグの全盛期は稲中の8巻からヒミズの1巻までです。最近またギャグの古谷実が帰ってきた感じがしてる。ちなみに俺の中では、GoingSteadyの峯田が好きな作品だと打ち明けていて、言及度がかなり高い作品である。やっぱり、サブカルの好き嫌いって誰かが好きといったというミーハーな部分が多分にあるね。ちなみにこの漫画の最終回の柱には「負けたわけじゃない。勝てなかっただけだ。」と書いてあったらしく(峯田談)、それを自分の単行本に書いておくくらい好きな作品です。
2位 江口寿史/エイジ
未完の帝王、江口寿史の完結してない、けど少しだけ完結してる気がするストーリー漫画。2004年の段階で続きを書きたいとあとがきに書いてあったので、急に続きが出るかもね。出ないかも、江口寿史だしなぁ。続きが出た時に知ってたらサブカル的に鼻高々かもしれないね。
不良少年がボクサーを目指す話。80年当時の少年漫画に足りなかった要素をアンチテーゼとして描いたらしく、とてもすっきりした読後感を頂ける傑作。
ちなみに僕がこの漫画を買ったのは、今は亡き八重洲のブックセンターで、上京するの途中の深夜バスの待ち時間に買いました。新生活に胸が躍ってる自分には同じくらいキラキラした話である今作が、とても合っていました。今でも読むと、当時のフレッシュな気分を思い出します。以上、自分語りでした。
1位 藤田和日郎/黒博物館スプリンガルド
中世に起きたばね足ジャック事件。そのばね足ジャックがまた事件を起こした、今度は殺人事件だ。ロンドン市警のジェイムズ・ロッケンフィールドは捜査のために、前回の事件の重要参考人、放蕩貴族のストレイド卿の屋敷に向かうのだった…。
ウォルター・ストレイド卿が俺の理想の中年すぎるので一位はスプリンガルドに決めました。金も時間も才能も持て余した放蕩貴族であり、時にはホレた女を前にはにかむという面も見せつつ、最終的には女中なんぞのために命を投げ出すという選択をするという、なんとも男の子でいじらしいこの中年男が俺は好きです。ストーリーテリングはさすが長期連載の王藤田和日郎だけあって最高。短期集中連載だったので一巻しかないんだけど、ギュッと詰まった濃密な読書ができます。まだ読んでない方は是非お手に取ってみてください。
という訳で、三回に分けてお送りいたしました"サブカル的傑作漫画30選"いかがだったでしょうか?もしかすると知ってる漫画が少なかったとお嘆きの方もいらっしゃるかもしれませんが、それがサブカルです。興味を持った作品は是非お手に取ってみてください。まぁ!サブカルで紹介した漫画なんであなたにはつまらないかもしれませんが、そんなこたぁ俺の知ったこっちゃない!!!!俺が俺の中のスケールで測ってみて、これが傑作だ!と選んだのが今回の選なので、あなたが違ってもそんなこたぁ知りませんよ。というのが俺のサブカルのスタンス。俺のサブカルは傲慢サブカル!この世で一番強いサブカルだ!
じゃぁまぁ最後に集計を載せて終わりにしたいと思います。それではまたどこかで・・・。
theseafulloflotion.hatenablog.com
theseafulloflotion.hatenablog.com
<出版社別>
講談社 10 小学館 4 秋田書店 2 双葉社 2 集英社 2 イーストプレス 2 白泉社 2 朝日新聞出版 1 ワニマガジン 1 リイド社 1 竹書房 1 徳間書店 1 太田出版 1 アスキーメディアワークス 1
<ジャンル別>
短編集 10 ギャグ 9 アンソロジー 2 ラブコメ 2 学園 2 生活系 2 時代劇 2 紀行 1 ヒーロー 1 ビジネス 1
<発行年>
1970年代 1 1980年代 2 1990年代 5 2000年代 11 2010年代 12
趣味と酒問題
今日は趣味と酒問題について話したいと思う。
別にサブカル・オタク問題をたきつけたいわけじゃないんだが、オタクの人って酒が嫌いだよね?なんでなの?なんでなのと言われても困ってしまうんだろうけど。オタクは本当にお酒に金を使うことを嫌がる傾向がある。サブカルは映画で酒の飲み方を勉強したりしてるので、比較的飲める、ただ飲み屋でサブカル話題でからんでくるのは遠慮してもらいたいが、飲める方だと思う。しかし、オタクの酒アレルギーは酷いものだ。建前としては「酒に使う金があるなら、趣味にぶち込む」や「ゲームをしてる時に、酒で脳を麻痺させておくのはいいとは言えない」という理由を聞くけれど、結局子供舌で酒の味がわからないというのが本音だ、あと肝臓が鍛えられていないというのが本音だと思う。
あのさ、もう30だぜ?酒くらい付き合えないでどうすんの?
とはいうが、私はあくまで平和的にオタクの肝臓を鍛えたいだけで、別にケンカをしに来たというわけではないのであしからず。
このオタクが酒を飲むことを忌避するのはアニメの影響があると思う。アニメというのはやはり子供向けに進化してきた系譜があるので、映画のように飲酒や喫煙をかっこよく描写するということを避けてきたという歴史がある。主人公が高校生くらいなので酒を飲めない年齢だという事情もあるかもしれない。あとは、アニメーターや作監もオタクで酒が嫌いで酒をかっこよく飲むシーンを省いてきたという裏事情もあるのかもしれないけれども俺は知らない。大地監督は酒が好きそうだけど、作品の中ではそういうところを出さないので暗黙の了解でもあるのかもしれない。
また、可処分所得の問題というのは多分にある。オタク趣味の特に収集癖を満たすために、嗜好品を買い控える傾向というのはきっと高いはずだ。なので、オタク話ができて酒が飲める人というのがとてもとても少ないというのが現状であり、私はそれをとてもとても悲しく思う。酒を飲みながらアニメやエロ同人の話ができる人というのは願ってもなかなか見つけることはできないのである。はぁ、いないかなどっかにそういう人・・・。
何の話だったか、そうオタクと酒の問題だ。
そういったわけでオタクは酒を忌み嫌っているのだけど、商売的にはオタクは酒の消費者としては最高だと思っている。日本酒を例にとろう。その酒を造った酒造、杜氏、造るのに使った麹・米など、日本酒には情報があふれている。甘さ・辛さ、アルコール度数などいろいろな数字が酒造りにはついて回る。さらに杜氏集団、これはある種製作者グループとして酒造りの癖や理想としている酒の姿など、杜氏によって変わってくる。これはアニメにおける制作会社と似ている。さらに販売している酒造も日本国内に相当数あり、北は北海道から南は鹿児島まで全国津々浦々にある。こうした酒造りにまつわる情報は非常にオタク的な、オタクにしか処理しきれないであろうことがやり取りされている。オタク趣味と酒は両立できる、というのが私の持論である。いずれ私は「酒オタク」というジャンルが、オタク社会で認められるであろうと予測している。
本格的に何の話だったか忘れたので、もう止める。
サブカル考~地名サブカルと住所不定サブカル~
各人それぞれのサブカルの持論を呈して、サブカル議論が紛糾する時代である。サブカルとはオーケンであるとか、サブカルとは映画秘宝であるとか、コアマガジン系とマガジンハウス系があるとかね。
なので私も一つ一考を披露してみたいと思う。それが地名サブカルである。
サブカルには住所が深く関係していて、その地名によってサブカル者を分類できるのではないかという一考である。様々な都市にサブカルの中心地があって、それがお店なのか博物館なのかという違いがあるけれど、その施設で取り上げるサブカルが違うので、それによって各都市のサブカルは特色づけられている、というのが総論である。
各論を思いついたので書いていく。中野、秋葉原、吉祥寺、下北沢、高円寺、御茶ノ水とは東京の駅の名前であるが、ここはサブカルの中心地として機能している。しかも、それぞれ得意とする分野が違うので、高円寺サブカルと中野サブカルは違うものとして考えられる。「彼は映画秘宝に感化されてサブカルを始めたので、その系統として考えられるが、彼のホームタウンは中野なのでそっち系の人であるよ。」なんていう風にサブカル者を表すことができる。こうして、サブカル者を語るときによりわかりやすく、より詳細に人物評を表すことができる。
私がこうしたサブカル考を考えるきっかけは、京都の出町柳にあるガケ書房について考えていたためだ。
京都の出町柳は京大の近く、学生文化が色濃く表れた地域でそこにある本屋であるところのガケ書房はサブカル色が濃いとても素敵な本屋さんだ。出町柳はサブカル色が強い場所であるが、インターネット上ではあまり言及が見られなく、サブカルの中心地としての知名度は東京のそれに劣っている。しかしながら、濃度の濃い文化が溢れていて、質としては劣っているとは思えない。しかも、東京のサブカルタウンとは紹介している商品も違うのだ。こういう違いはサブカルを語っていくうえで重要なファクターになってくるんじゃないか、というのが私の持論である。
最後に住所不定サブカルについて少し書く。こうした地名サブカルに依拠せずにサブカルを語ったり、収集してインターネットで活動している人が「住所不定サブカル」となる。中心地以外で活動しているサブカル者のことである。これはヴィレッジヴァンガードの普及とインターネットの広がりが可能にした、比較的新しい部族である。私自身、地元にはサブカル施設がないのでインターネット上で活動している住所不定サブカルの一人である。
とまぁ、思いつく限りつらつらと書いてみた。この論に面白みを感じた人はより深く考えてみて持論を呈してみてほしい。
以上
サブカル的傑作漫画30選<中篇>
サブなカルが お好きでしょう?
もう少ししゃべりましょう
こんにちはサブカルバカです。前回の続きで私的サブカル漫画選の続きをやります。ついて来いぜ!
~私のサブカルについての考え方~
theseafulloflotion.hatenablog.com
20位 窓ハルカ/俗の金字塔
突然であるが、窓ハルカが儲かって有名になったら結婚したい。頼む!結婚してくれ、窓ハルカ!幼少期にギャグ王の薫陶を受けて漫画の道に入った窓ハルカは他人と思えない。出身も同じ北国だし、きっとうまくいくよ!
窓ハルカは私の中の女性漫画家のカテゴリーの中では、ゴトウユキコと同じく、ヤバいテーマをアクセル全開でぶっ飛ばして行き、後続にはぺんぺん草一本残さない漫画家っていうイメージです。
俗の金字塔もそのイメージがぶれず、ハイブロウな変態がたくさん出てきます。でも、変態は変態なんだけどみんなピュアなんだよね。そのあたり上品な感じが出てて人気の出る所以なんじゃないかな。
19位 かるま龍狼/非日常性バイアス
素人は素人なりに、「こんなエロいシュチュエーションがあったらエロ漫画になるんじゃないか?」って考えているものだけど、この短編集はまごうことなき年季のはいったプロエロ漫画家・かるま龍狼が思いついたシュチュエーションをエロ漫画にしました!という入魂の一冊である。よくそんなシチュ思いつくなぁという感嘆の声が漏れるばかりである。
という一コマが全てを物語るばかりである。
18位 中野でいち/HなHとA子と呪い
また性をテーマにした漫画です。こちらの漫画は性に嫌悪を催す男が、愛とは!セックスとは!と考える内容となっております。私、小説も読む方ですので、文章が多い漫画は好きな方なんですが、この漫画は濃密です。どっしりと胃に来る感じの重量感でした。また、私のフェチとして(立場が高く、金もあり、プライドの高い男が雨にずぶぬれになって慟哭する)というシーンが好きなのですが、御多分に漏れずHなHにもそのシーンが入っているので、どストライクな漫画でございます。
17位 黒田硫黄/茄子
茄子である。生活系漫画の金字塔、茄子である。いろんな世界、ちょっと変わったいろんな人の日常を丁寧に描いた傑作である。茄子、茄子である。栄養がほとんどなく、神様がいたずらにデザインしたかのような魔性の野菜、茄子である。まるで茄子の周りに人が生えてきたんじゃないかと思えるほど、茄子が中心にある作品集である。月並みであるがペペの話が好きなのである。茄子、茄子なのである。
16位 位置原光Z/お尻触りたがる人なんなの
コミティア30thクロニクルで少し触れた位置原光Z先生の作品である。これまたセクシャルな方面にぶっ飛んでるギャグ漫画。ホントにこんなに沢山ギャグのネタを考え付くなぁと惚れ惚れしてしまう。しかもオチが一個じゃないのだ、途中でいったん落としてから最後にまた落とすという、テクニカルなギャグもあるのがおもしろい。位置原先生スキー!
15位 平方イコルスン/成程
あんたってホントコミティアが好きねって、付き合って三年目の彼女に呆れられたい、そんな私です。コミティアの作家の方が続きます。
ちょっと特殊な言語感覚が癖になる平方イコルスン先生のデビュー作。この作者は、コミティア時代に文章の小冊子を配っていて、言葉の使い方が一味違うと感じてます。トーチでやってる「スペシャル」もおもしろいよー。
14位 涼川りん/りとるけいおす
TUMBLRで画像を見かけて思わず書店に走った、2015年俺が一番笑った漫画賞1位の作品。現在は「あそびあそばせ」がネット初で中高生にバカ売れしてると聞いてます。お前らよりも俺の方が先に涼川りんを注目してたんだからな!(めんどくさいサブカル厨)
13位 小田扉/そっと好かれる
「こさめちゃん」にしようか、「そっと好かれる」にしようか悩んだが、こさめちゃんは星野源が好きだと言っていたので私はこっちを紹介する。べ、べつにライバル視してるわけじゃないんだから!意識なんてしてないんだから!
僕が中学生の頃に初めて釧路のヴィレッジバンガードに行って買ったサブカル漫画です。僕はこの中に収められている放送塔が大好きでねぇ、うなぎ釣り名人の話なんていつもそらんじていたよ。パルプフィクションを見たのが先か、放送塔を読んだのが先かは記憶が定かではないんだけど、掛け値なしに面白かった。最近知ったんだけど、小田扉はコミティアではオルタナティブ系なんて呼ばれていたんだってさ。ちょっとした憧れの対象だったって話さ。
よつばとよりも続きが出そうで出ない、でもちょっとだけ出てる漫画苺ましまろ。アニメ化もされたしブームにもなったから、もうしらないサブカル野郎はいないよね?サブカル野郎が漫画と映画ばっかり見てる成人女性コンだと思っている人がいるかもしれないけど、可愛い女の子だって好きさ!けどロリコンってわけじゃないよ!ちっちゃな子の自由奔放で無軌道な所を愛してるわけであって、性の対象としては決して、決して見てないよ!信じてくれ!
…でも、ちいちゃんの搾乳だったらちょっと見てみたいかも…
沙村広明の話をするとお引越しおじさんが来るぞ!
ギャグマンガ好きとしては、「ハルシオンランチ」か「おひっこし」をお勧めするべきところなんだけど、そろそろ順位も上位に差し掛かってきたし、真面目に話をしよう。
無限の住人の尸良が好き。僕がサブカル外道を名乗るときのイメージはモヒカン5割、尸良が3割。尸良はとにかく外道なんだけど、不死身の万次に向かっていく生身の人間として最後までよく戦ってくれた。特に好きなエピソードは、自分の腕を削って、骨まで削って武器に仕立て上げた時の「めちゃくちゃ痛ぇんだ 使ってる己自身が 刺してる己がこんだけ苦しんでんだからなァ 刺されるテメェらも気合い入れろ あぁ コラ!」というセリフが好きです。美文を頭捻って考えてるときとか、読者に対して同じ事を思ってます。
以上、中篇でした。このままいくと、下篇はいったいどれだけ書けばいいのか不安が残りますが、労力が続くまで書いていきたいと思っております。よしなに。
theseafulloflotion.hatenablog.com
theseafulloflotion.hatenablog.com
取り急ぎ~酒を飲みたくなる映画5選~
ランキングの途中だけど、星野源が声優を務めてる映画「夜は短し歩けよ乙女」を見て、「酒を飲みたくなる映画」特集がしたくなったので、それをすることにする。
「夜は短し歩けよ乙女」とは2017年4月7日公開のアニメ映画である。湯浅監督がメガホンをふるい、ヨーロッパ企画・上田が脚本を書く「四畳半神話大系」と同じ布陣で挑む、ファン待望の春のアニメ映画である。詳しくはネタバレを避けるために言わないでおくが、偏屈王で大爆笑したこと。私の大学時代の友人が、一時期「電気ブラン・・・電気ブラン・・・」と言っていたのが、この作品の影響だったことが見て分かった。そう、酒。酒が重要なファクターなんだ!酒が飲みたくなる映画なのだ!この作品は!
という訳で、私選酒が飲みたくなる映画特集をしたいと思う。映画を見る前の人も、見たた後の人もお付き合いいただければ幸いだ。
「なんで酒が飲みたくなるアニメじゃないの?」と思われる方もいると思うが、この作品は飲酒に意欲的だが、基本的にアニメは「うまそうに酒を飲む」という描写が苦手なジャンルなのだと思う。その点はやはり映画に軍配が上がる。まぁ、勢いで良く調べないで書いているので、異論は認める。
1.幸せの黄色いハンカチ
定番でごじゃりまするなぁ。高倉健が出所して、定食屋に入って何年振りかにビールを飲むシーン、がこれである。出所経験がある人間としては共感できる部分がある。
いいぜ・・・。
2.ワールドエンド~酔っ払いが世界を救う~
サイモンペッグの作品。サイモンペッグの作品の大体に、パブでビールを飲むシーンがあるので、「酒が飲みたくなる監督」として入れてもいいんだけど、この作品は特に良い。学生時代、悪ガキで鳴らした男たちが、中年になって昔やり残したpub飲みを完遂させるという筋。特に「お前が来なくちゃ飲み会が始まらないんだって!」とか「なぁ頼むよ、来てくれよ・・・」といって友達を飲みに誘うゲイリーが、なんか昔飲めないやつを誘って無理やり飲みに行ってた自分と重なって、「最近こんなにアグレッシブな飲み会やってねぇな」っていうおセンチな気分になった。これ見ながら飲むのはもちろんビール!
3.イングロリアスバスターズ
出た!サブカル男御用達!クワエチン・タラエチンポ!
特にイングロリアスバスターズは酒が飲みたくなる。ウイスキー。できれば上等なスコッチ。なんで飲みたくなるかは見てもらえればわかると思う。サイコーにかっこいいシーンでスコッチが出てくるから。
ちなみに私はハンバーガーを食べながらスプライトを飲むときは「ハンバーガーをスプライトで流し込んでも!!?」といってから一気にスプライトを吸うという、パルプフィクション症候群の罹患者です。
この企画を始めたというのも、ノッキングオンヘブンズドアを紹介したいから始めたんだよ。正直に言うと。
ノッキングオンヘブンズドアーは1997年のドイツの映画。俺はこの映画前情報なしで見た時、なんか言葉が変なことに気づいて、すぐドイツ映画だって気づいたね。俺じゃなかったらこんなに早いドイツ語、見逃しちゃうね!
トレーラードーン!
この映画を見ながら飲むのは、もちろんテキーラ!しかも塩に指突っ込んでそれを舐めて、レモンをかじっちゃう!これがやりたい!しかもそれを夜の浜辺でやりたい!
なんでこんなことやりたいかというと、昔友達たちと伊豆だったか伊東に遊びに行ったときに、海辺にある道の駅にあるレストランで浜辺の席に通されたんだよ。で、その店がいい店でテキーラ頼んだら塩とレモンも一緒に出してくれたんだ!そこで俺はピーンときたね!ここの店長もこの映画見たんだって!
味?味は覚えてねぇけど、サイコーだった。あとは友達たちと天国の話でもすればサイコーの旅行になっただろうね!それをもう一度味わいたいんだよ、俺は!
そんなわけで、映画紹介にかこつけた自分が足りでした。気に入らなかったら自分で選んでみてね。じゃーぼくびーる飲むから!またね!!